盲本道合戦 [ひぐらし硯 本のこと]
「盲本道合戦2012新春トーナメント」
個人的になかなか奥の深い、新たな発見のある大会でした。
さて、最初の頃には順調に(でもないですね)盲本していたのですが、ふと、いや、はたと思いだし、わたしは、いやいや、仙人は半狂乱になりました。
本来ならばそれを明かすのはどうなのか?と思いましたが、盲本技術革新のため、盲本推進委員長として、一競技者の心境のままでいては後進のものが育たない。本来ならば対戦者の手前、明らかにするには自殺行為といえども、競技のおもしろさをまだ体験していない人のために、その面白さ、見所を明らかにすべきではないか?と、そう思う所存でございます。
・・・・ということで、どうしてあわててしまったかと申しますと。
一般の本といわれるものは、何冊も作るものですから、当然のように何枚もの紙を重ねて裁断します。特に並製本(ソフトカバー)によく見られるのですが、小口部分にちょっとしたざらつき感を感じます。
ただ紙というものは強度があり、だからこそ、何十年何百年と保存のきくものなのですが、屈強なカッターでさえまとめて切ると、どうしても切れあとで荒い部分ができます。
以前から下の部分にざらつき感があったことを思い出して、指先でなでていました。この日、「相当」の風邪を、しかも、「いい塩梅」にひいており、得意の嗅覚がいかせずにおりました。本来なら多くのヒントを視覚以外の感覚で予想しながらも、最終段階、嗅覚で判断する競技スタイルなわたし、いや、仙人なのですが、今回は触覚をたよりに予想をしていきました。
その裁断の荒い部分は、下部分、つまり地の方によく、わずかながら指先で感じられます。本当にわずかなので、わかりにくいですが、指先で紙の流れに沿って触ってみるとわずかですが、ざらっとした感触があります。(画像左が天、右が地です。拡大しないと見えにくいので、指先に勝手に表情をつけてみました)
と、途中、そういえば、ざらつき感は特にその出版社もしくは製本の関係によってであって、あまり確実に地とか天とか関係ないのかもしれないと、時折見ている工場見学の印刷、製本動画など思い浮かんできて、思わず錯乱してしまいました。
ただ、最初予感したものはあながち外れてはいなかったようで、あわて損ということになってしまったようにも思いましたが、やはり、まだまだ、奥が深い道であります。
何度か続けていて、盲本道の競技ばかりに目をやりがちですが、この選本タイトルもイカスものとなっております。その挑戦者のゆかりのお品が混じっていたり、函もの、ハードカバー、ソフト、文庫、と、その対戦に合わせて、両対戦者に偏らない選書、かなり練られた感じの選本で、わたしも推進委員会と言ってはおりますが、その技術をやあやあ言っておるばかりで、こうした下支えなくしては、番組も成り立たずということも申し上げねば。
一日にして、盲本道ならず。でございます。
盲本道。
道は険しく、遠いです。
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