ミシマ社 ひぐらし文庫が選んだ6冊(+1) [新着ごあんない(本)]
ミシマ社さんはすでに多くの方に取り上げられているので、ご案内するのもどうかと気がひけますが、今一度おさらいのつもりで聞いていただいて。
ミシマ社さんは、多くの新刊書店で利用している、問屋さん(取次)と契約をしていない出版社です。直接書店さんとやりとりをしています。それがどうして取り上げられるほどのことなのか。そう思われる方もいらっしゃると思います。
現在2011年で書店は15061店あるそうです。その10分の1でも、商品が出たり戻ってきたり、お金をもらったり、本に合わせていろいろな宣伝のものを用意したり。月に1冊ずつ出していくとしたら、確実に1冊ずつの仕事が増えます。本は出しておしまいというわけではありません。
ミシマ社さんの本を取り扱うかどうか考えたのは、『透明人間 再出発』の刊行の時です。
理由は珍しい製本方法でなかなか現在大量流通する本を作る現場では難しい製法であること。
ではありません。
技術と個々の手にする人の「利」は決して完全に合致しないことなどは、妙齢の方々ならば、VHSしかりベーターやブルーレイなどを思い出しても、おわかりになられるかと思います。どんなに立派な技術でも、それは、ただの技術です。宣伝力や他にも理由はあるかもしれません。売れる理由があるように、売れない理由も山ほどあります。
技術だけではどんなにすぐれていても人の心をとらえることはできないということです。
ただ、(製)本の場合、手にする人の状態、本の中味と外側のバランス、想像力によって大きく変わります。
『透明人間 再出発』は、決して、完成というほど完成された詩でも、写真でもありません。
言えば、透明のよう、無味無臭です。
この本を完成させるのは、この本を手にする人であるということ。
人は一遍の詩や一枚の写真で物語を作れる、素晴らしい能力を元々持っているのです。
本は、そのほんのきっかけなのだと思います。
是非、手にとって物語を完成してください。
次に物語を紡ぐ人へ、贈りものとしても。
フェア実施中です
ミシマ社さんの営業日誌ブログに掲載されました。
ご来店誠にありがとうございました。
http://www.mishimasha.com/jimichi/blog/index.php?e=235
by ひぐらし文庫 4560070512 (2012-03-19 16:19)