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母の台所、娘のキッチン [ひぐらし硯 本のこと]

この本を手にしつつ、最近、そういえば家政学って聞かないなぁなどと、思い出しました。家政学の説明は専門ではありませんので触れませんが、以前よりも、家や家庭というものをまず先に考えることは少なくなってきたように思います。生活科学とか名称を変えているところも大学ではありますね。

CIMG5937.JPG『母の台所 娘のキッチン』 藤原房子 新潮文庫

昔は専業主婦の方も多く、「家事手伝い」なんていう未婚の女性もおりました。

もう30年以上前の本など読んでいますと思うのですが、専業主婦になった女性たちも本当は世の中、社会に認められる人になりたいと思っていたんでしょうね。でも、そもそも家庭は比較評価をしたり価格をつけること自体おかしなことで、社会とは違う枠にあるわけです。それでも、なにかが物足りない。

今では驚くほどの本格的な世界の料理や編み物、裁縫など、一般家庭で読まれていたと思われる本でも、「そりゃわたしには無理」となる内容も多くあります。それほど市販のものというものがなかったというのも原因でしょうが、当時の女性の方々は新しい技術をもっと吸収したり向上したりと、真面目に考えていらっしゃる方が多かったのでしょうね。そんな印象を受けます。

昔から伝わる文化や教えを守っていきたいという警告を発するようなものは、80年代に多く見かけます。周期があるのかもしれませんね。ちょっと間をおいて、わたしの二十歳代の頃と言えば、おばあちゃんの頃のように障子貼りもしなくてもよくなったし、ジャムだって買った方が自分が作ったモノよりおいしいものが海外からでも取り寄せできる世の中で、あの頃、作る理由のできる本が欲しかったような気がしています。

最後のページの資料など、とても興味深いものでした。
CIMG5933.JPG
うどんそば、味噌や醤油を作ってた親を見ていた世代は、子供にパンやジャムや乳製品の作り方を伝えたいと思ってるのがなかなか面白いです。食生活以外のものでも、障子貼り和裁洋裁など、同じように、わかりやすい結果に思わず唸ってしまいます。いままでにない技術であったからこそ、伝えたいと思っていたのでしょうね。時代を感じます。

今の塩麹のブームなんて、この調査された方々など、どう思われるのでしょうか。

今の二十歳くらいの女性の方々は、料理書や編み物の本をどういう気持ちで求めているのでしょうか。とっても気になります。

*こちらの商品は1点ものですので、お品切れの際にはご了承くださいませ
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