9 月のひぐらし文庫 [店舗情報]
9月の営業カレンダーです。
平日お店を開けながら作業する日が少なくなっておりますが、通販業務は平日でもご注文あり次第、お手配させていただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて。思い残しのお話を一つ。
6月に蟲文庫の田中さんと西荻でお話させていただいた際に、会場で、質問用紙をお配りしていたようで、その質問用紙と感想などがあった紙のものを一部、読ませていただきました。時間の関係で多くの質問内容に触れることができなかったのは申し訳なかったな~と思っておりました。
あの会場では就職前の大学生くらいの年齢の方も多くいらっしゃたとお聞きしております。その年齢の方の質問や感想なども読ませていただき、これから社会に出る方々に少しでも参考になるようなことがあればと思い、お答えできないまま終わった質問内容などを少しここで取り上げ、お話しできればと思います。
とはいえ、あの時は古本屋をしたくて18年続けてきた蟲文庫さんがいらっしゃったわけで、とてもわたしの話などは参考にもならないと思いますので、まずは、先に蟲文庫田中美穂さんの「わたしの小さな古本屋」をお読みになられることをお勧めします。
Q:街の一員として、お店をしているお二人は、図書館や新刊書店のイメージってどうですか?本を扱う仕事としては同じと思うのですが、なかなか三者で町(地域)を活性化していく動きが少ないと感じますが。
A:電子書籍も含め、本を取り巻く世界は変化しつつあります。現在は製本の本があって、それぞれ図書館や新刊書店、古書店などという枠がありますが、もしかして近い将来は、もっと違う枠で、本と人は出会うことがあるのかもしれません。
イメージは印象ということなのだと思うのですが、わたしに限っては、小さなころから図書館も新刊書店も古本屋もあって当たり前の恵まれた環境にいたおかげで、(製)本に出会う場所として現在に至るまで、三者三様の愉しみかたを持っています。
今までは、同じ本が古本になったり、貸本になったり、定価本であったり、それは中身は変わらずとも、本のガワ(製)本の状況によって、場所を変えることで分けられていましたが、もしかして場所という枠がなくなったり、なにか違った区分けで、また本が愉しめるのではないかと思っています。
Q(感想):気が付くと客層が少しずつ変わってくるというお話が興味深かったです。
A:やはり小さなお店でも、ある商品に似たようなものが立て続けに売れていくことがあります。その流れにうまく合わせられればよいのですが、うまくいかないときのほうが印象に残るし、売れるチャンスを多く逃しているように感じます。
本は他の商品と違ってその本が売れれば確実にそれを買うお客様が一人この世に消える運命です。よほど同じ本を購入するということはありません。なので、他の小売りのようにティッシュが売れるならその切れた時に同じ銘柄のティッシュを用意しておけばよいというような、そうした売り上げ予測が立てにくく、似たようなものを用意しても、それが次に買っていただけるものなのかどうなのか定かではありません。
10人いれば10の感想があるように、本はその読んだ方によって変化する「生き物」のような商品です。だから面白いとも言えますし、数字だけで追う作業ではないなぁと思います。
他、『「本屋」は死なない』を読んで、書店員になられた方もいらっしゃったという感想もいただきました。
これから、本を取り巻く世界は変わりつつあります。その変化の中であえて、この道を選ぶというのは大変な勇気だったかと思います。正直、わたしがもし今新社会人で道を選ぶとしたら違う道を選んでいたかもしれません。そんなわたしも、今この道を離れずにおります。
離れずにいられるのは、変わるということは決して良いことでも悪いことでもなく、世界は変わるかもしれませんが、本を読む人が変わるわけではないと思っているからで、人がいる限り、本屋は必要なことは変わりはないと思っているからです。
今一度、最後にご挨拶を。
多くの方にご参加いただきましてありがとうございました。
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