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「盲本道」へ道 [ひぐらし硯 日々のこと]

盲本道とは、視覚を使わずに(手や鼻などを使い)

本の天地前後を正確にあてる競技です。


a0224566_20184521[1].jpgあれは、わめぞTV放送の数日前のこと。

地獄の使者が突然店に現れ、白羽の矢がパスっとあたったとたん、まあ、なんということでしょう!もわ~んという白い煙とともに、わたしは仙人の姿になっていたのです。

…というのは嘘で、往来座の瀬戸さんが店にやってきて、まずはと差し入れで「ぐんぐんグルト」という名の飲みものをいただき、うっかりといいますか、考えもなしに飲んでおりましたところ、盲本道の試合オファーの話に。はっ!「ぐんぐんグルト」を一気に飲み干した後では、もはや断れるはずもなく、その日のうちに促されるままに写真を撮った翌日には・・・・・・・このようなポスターが出来上がっていたのでした。

しかも仙人になっておりました。本人もびっくり。



仙人になりきり書いてみようとも考えましたが、あんまり、持続する筆力もありませんでした。

なので、ふつーに書き進めます。

全体の司会をしている古書現世の向井さんからも「ほんとに全然見えてないの?」と、かるい感じで質問するほど、至って「見どころ」がわかりいくい競技。わたしも同じく現場で見ておりましたが、やはり見ている人になかなか伝わらない部分は多いのじゃないかしらと思います。さて、天地前後の見分け方ですが、往来座さんのブログにも多少触れていただいておりますが、いくつかコツはあります。

1 上(天)の部分はヤケが目立つ
2 四つ折りの挟み込みは切れている部分が上(そのまま挟み込んでいるなら)
3 紙質の違う部分の比重により、表
4 ページの開きやすさで表

ここまで読んでいて、何となく気がついている方もいらっしゃると思いますが、本は倉庫から出た瞬間から、1冊1冊、だんだんと個性が出てくるので、その個性の部分を探し出せば、自ずと天地前後がわかります。そして、知らず知らずなのか、どうなのか、読む人もつくる人も「決めごと」をしていることがわかります。視覚を全く利用しないからこそ、その個性が伝わってくるのかもしれません。触っていてもノンフィクションものかしら?など想像を巡らせるのですが、やんわり浮かぶイメージと実際の本とではひらきがあり、ずいぶんと見た目って左右されるものなのだなと、驚きました。

なんとなく見ていると「あてずっぽうなんじゃ」かと思われるかもしれませんが、案外そうでもなく、いままで本屋で仕事をしている方には、日々本を触ってきた経験が活かされる競技でありました。ただ、競技人口と歴史がまだ少ないために、さらに、競技すら手探りなため、実行委員も、競技者本人も実技しながら、徐々にコツをつかんでいくという、本当にすべてが暗闇の中から導き出すものでした。

コツは4つしか書き記しておりませんが、本当は、もっともっと特徴はあります。ただ、競技用の本を10冊ずつ不公平がないように選書をしている関係で、もとより特徴のありすぎる本は出ませんということも。なので元々レベルは最初から高い。ゆえに、選書をしている方が結構大変なのではないか?と、本を見た限りでは思ったりしています。

本当に往来座さんお疲れ様です。

それから延長戦の「年代あて」ですが、これも日々本の奥付を見る習慣が本屋さんにはあります。年代で本のつくりも若干違ってきます。まずは、装丁からその特徴のある年代を割り出します。それは、当時では安価だった技術が、何らかの理由でできなくなってしまったりして、当時の刊行されていた本ではよくあるつくりなのに、現在は見ることはほとんどなく、そこで時代が割り出せます。もちろん、当時の流行の装丁などもヒントになります。

また並行して奥付を見ていくと、だんだんとこの年数前にも見たことがあるということが多くあります。関連性を確実に調べているわけではありませんが、この世の中に古本として出てくるものは、その本によって多く出まわるものと、そうでもないものにわかれるようにも思います。これは見てきた中での体感であって、正確な数字は表せませんので、実際やってみて感じていただければうれしいです。

ということで、装丁(紙質も含め)に合わせて、見た記憶が多かったものとで条件を絞っていけば、比較的近い年代の刊行を出せば、当たらずしも遠からずということになります。

結局、「体感」というあやふやなコツしかお教えできず、ちょっと物足りないかもしれませんが、本を毎日触っている職業の方はぜひチャレンジしてみてください。

わめぞTVでの対戦の前には練習という練習はしておりませんでした。と、言っても、わたしが指先に目があるとか、特異なものを持っているのではなく、長年書店勤務からのなせる技だと思います。

みなさんも、きっと何度か練習すれば、短時間記録更新で、パーフェクト「ポン」が可能かもしれません。
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