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リトルプレスとzine。 [ひぐらし硯 本のこと]

CIMG5159_copy.jpg最近はおかげさまで、リトルプレス制作の方から販売ご依頼のお声かけをいただくことが多くなりました。

最近よく見かける言葉。リトルプレスとzine。

多くのサイトでもご案内が出ていますので、特に、説明をあらためて加えなくともいいのかもしれませんが、各お店での判断基準はあまり書いていない気がします。

「まずは見本を」とお申し出いただくことが多いのですが、画像や本の説明で「ピン」と来るものは、即決で条件などの販売交渉をすることもございます。

「ピン」という言葉だとあやふやでわかりにくいかもしれませんので、こちらは後日書き添えたいと思います。CIMG4613_copy.jpg

さらに、即決には至らず、いくつかお聞きする内容がある場合もあります。

条件などもありますが、本の内容や判型、値段などをお教えいただくほかに、お聞きしています。
1 お店にいらした方かどうか。
2 なぜ当店で販売することを希望したか。
3 どうして本を作ったのか。本の形態(どうしてそうした装丁にしたのか)も含め。

1の質問は念のためなので、ご来店でなくともまったく問題はないのですが、やはり、どうして当店をお選びになったのかでは判断させていただくことがあります。もちろん、多くの店舗でお取扱いをされるものだからお断りするというわけではありません。その逆もまた同様で、ひぐらし文庫で取り扱う理由があるかどうかの判断です。

一番大事なのは3です。

どうしてその本を作ったのか。わたしたちのような本を売る人は、本として形に残すことはあまりありませんが、作った人の気持ちの形をどうすれば共感するより多くの人に伝えられるか、また、手渡すことができるかを熟知している人たちです。

CIMG5193.JPGこれは言葉と同じで、気持ちを伝えるのには言葉が必要です。その選び方で、どうとでもとれる場合もあるし、時には予期せぬような伝わり方になってしまったり、きちんと伝わらずに終わる場合もあります。わたしたち本を売る人たちは、その言葉選びが本当によいかどうか、より強く影響を与えられるようなやり方も、その弱い言葉を補う力も、もっています。

一つの作品を生みながらも常に迷いは誰しもあるかとおもいます。完璧な人間がいないように、完璧な作品などありません。人で例えるなら、作品の「短所」は転じて「長所」にもなる可能性を秘めているように思います。なので、質問させていただいた作り手の方の答えの中で一番判断に難しいのは、「なんとなく」や「そこまで考えていませんでした」かもしれません。

本を相手に渡したい、それは無料であっても有料になるならなおさら、自分が作り出した本に関心がない部分がひとつでも生まれたことで、「伝えたい」相手側との縁(えにし)の糸が切れることもあるのです。また、「こだわり」ではなく「伝えたい」というひとつの願いが糸を手繰り寄せる原動力だと思っています。

CIMG4548_copy.jpg安心してご相談ください。

もちろん、そのときに、多少耳障りなことも申し上げると思います。それでも、不思議なことに「どうしても自分の気持ちを形にしたい」衝動の次は必ず「どうすればその気持ちを他の人に受け入れられるのか」ということになっていきます。ささやかなこと、だけど伝えたい。その「伝えたい」という気持ちから、本は生まれます。

そのお手伝いをさせていただければと思っております。
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